ikarij’s blog

薬剤師、特定行政書士 いかり純一のブログ

豊洲論 石原慎太郎元都知事百条委員会証人喚問を受けて

本日、東京都議会百条委員会において、石原慎太郎元都知事の証人喚問が行われました。

石原元都知事は豊洲移転の決裁責任は認めました。

しかし、小池都知事に対し不作為責任があるという批判も行い、都議会自民党からもそのような発言がありました。

小池都知事に、豊洲に早く移転させる責任があるというのです。

豊洲移転問題における安心と安全は、よく原発事故の放射能に例えられますが、私は薬剤師でありますので、医薬品の副作用にもよく似ていると思います。

医薬品の場合、副作用で亡くなる方がおられても、命が救われる方が多ければ、その薬は価値があると言わざるを得ません。

問題は、死亡率と救命率がどれだけ乖離していれば許されるかと言うことです。

あまり乖離していなければ、その薬の存在意義はありません。

この、「どれだけ乖離しているか」が豊洲移転問題における「安心」に当たると思います。

つまり、築地の安全性の高さと豊洲の安全性の高さが大きく乖離していないと、市場関係者や都民の安心は得られません。

現状では、築地の安全性・危険性の高さと、豊洲の安全性・危険性の高さは同程度なのではないでしょうか。

医薬品の場合、どうしても危険性の高い薬を使わざるを得ない場合、最終判断は患者さんに委ねられます。医療関係者が十分に説明を行った上で、患者さんの同意が必要です。

豊洲移転問題の場合、築地残留にしろ、豊洲に移転する判断を下すにしろ、小池都知事は市場関係者や都民の同意を得るために十分な説明、説得をなさらなければなりません。

これは容易く出来る事ではなく、大変な仕事になるはずです。

このような大変な状況に小池都知事を追い込んだのは石原都政であり、その時代の都議会ですので、石原元都知事や都議会自民党による、小池都知事は不作為責任があるという批判は全く当たらないと思います。